赤に、黄に、白に、青に・・・・・など、
お花は、本当にさまざまな色で私達を癒してくれます。
ところで、その「花の色」はどんな仕組みで決まっているのかご存じですか?
今回は、花の色の仕組みについて紹介します。
例えば水彩画。
私たちは、赤と青を混ぜて紫をつくったり、
白と赤を混ぜてパステルピンクをつくったりしながら絵を描きます。
いろいろ混ぜると暗くなる。
これが、いわゆる減色混合といわれるものです。
一方、もう1つの色の展開は
色を混ぜると明るくなる、これを加色混合と言います。
花の色は後者、加色混合の世界で、光を分解して発生しているのです。
具体的には、下図のように、
太陽や電灯の光が花に当たったときに、
色素に吸収されずに花の表面で反射する可視光線の色で決まります。
学生の頃、覚えてますか、あのプリズムです。
光が三角形のガラスを通過すると、
その屈折率で光が分解されて7色に輝いてましたよね。
自然界で、プリズムの役割を果たすのが水滴
水滴に光が当たって分解されて七色に見えるのが「虹」ですよね。
ところが、花弁の場合は
7色あって、6つが吸収されて、1つのピンクが残って反射すると
それはピンクに見えるのです。
簡単に言えば、そんな原理です。
では、赤を反射したり、黄色を反射したり、青を反射したり
その違いは、なに?
というと。それが花弁に含まれる色素なんです。
色素の特性によって、色が変化しているのです。
植物の代表的な色素は、以下の4種類です
1、フラボノイド
2、カロテノイド
3、ベタレイン
4、クロロフィル(葉緑素)
の 4 つです。
それぞれをみていくと、
●フラボノイドは
●黄色から●青色までの色を出す色素。
7000 種類以上の化合物があります。
多くの植物がフラボノイド系の色素を持っていますが、
花の色を決める代表的な色素はフラボノイド系のなかでも
アントシアニンと呼ばれる化合物群で、その化学構造の違いが、
花の色の違いとして現れます。
※ pH が小さい酸性では赤色、pH が大きいアルカリ性では青色。
●カロテノイドは
●黄色から●橙色・●赤色の範囲の色を出す色素の仲間です。
上のフラボノイドも黄色を出しますが、
黄色い花のほとんどはカロテノイドによるものです。
●ベタレインは
●黄色から●紫色を出す色素の仲間です。
ベタレインはボタンやサボテンなど
一部の植物のみが持つ独特な色素です。
●クロロフィルは
これは葉緑素で緑色を出す色素です。
植物の葉や茎にたくさん含まれています。
花弁では、「つぼみ」のときにはクロロフィルを多く含んで緑色、
花が咲く時期になると、
フラボノイドやカロテノイドがつくられるようになり、
逆に、クロロフィルが少なくなります。
結果、緑色が失われて、花の色が赤色や黄色になります。
※ 白い花には色素がありません。光を吸収する色素がないので、全ての色を乱反射させるので白に見えるのです。
こうやって考えてみると、私達は「花の色の美しさ」に
時に、和(なご)まされ、
時に癒(いや)され、
時に元気づけられ・・・・
していますが、結局、
「太陽の光の表現型、太陽の光のおかげ・・・」
といっても良いかもしれません。
本当に「お日さま」に感謝ですね。
こうして、その背後にあるチカラを知って、そこにも感謝をお返しできたら
お花も喜び、なぜか「癒し」も倍化するような気がしませんか。
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