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グラスルートからのトピックス

 

 ● 「運命の赤い糸」 その由来は ?  (File No,1340)

 


ドラマや小説などでも、将来、結婚する者同士は

「生まれたときから小指と小指が赤い糸で結ばれている」
という言い伝えを受けて、ストーリーの大切な要素になっていたります。
ところで、この話、発端はどこにあるのかご存じですか?
 

由 来(中国説)

 (画像hawikiより)

中国の類書『太平広記』(北宋時代)がその原典だと言われています。
高級官僚の韋固(いこ)という人物が旅の途中、宿場町で不思議な老人と会う。
この老人は月の光の下、本を読んでいた。
聞くと老人は現世の人々の婚姻を司っており、
婚姻が決まると赤い縄の入った袋を持って、あの世から現世に向かい、
男女の足首に決して切れない縄を結ぶという。
この縄が結ばれると、距離や境遇に関わらず必ず二人は結ばれる運命にある、と・・・。
縁談に失敗つづきの韋固は、今の縁談がうまくゆくかどうかたずねるが、
老人はすでに韋固には、
別人と結ばれた赤い縄があるため破談すると断言する。そこで
「赤い縄の先にいるのは誰か」
と聞くと、相手はこの宿場町の3歳の醜い幼女であった。
怒った韋固は召使に幼女を殺すように命令し、
召使は幼女の眉間に刀を一突きして逃げたが殺害には失敗した。
縁談がまとまらないまま14年が過ぎ、
韋固は、上司の17歳になる美しい娘を紹介されついに結婚した。
この娘の眉間には傷があり、幼い頃、乱暴者に傷つけられたという。
韋固は14年前のことを全て打ち明けて二人は互いに結ばれた。
この話から、仲人や結婚の仲立ちをする者を指す者を
「月下老」
というようになった、と言われています。

 

由来(日本説)

 (画像hawikiより)

日本では、
『古事記』の中の
「三輪山(みわやま)伝説」説があります。
活玉依毘売
(いくたまよりびめ)という美しい女性がいました。
深夜、夜這いにくる男性と活玉依毘売は、
夫婦の契り
(ちぎり)を結び、間もなく妊娠しました。
両親は娘の妊娠に驚き相手が誰なのか探し出せとばかりに
「その人が来たら、寝床の前に赤土をまきなさい。
そして麻糸を相手の服につけ、糸を辿
(たど)れば住んでいる場所がわかる」
と提案します。
そして、男性が帰ったあとにその糸を辿ると
三輪の神社に着いたので、男性が三輪の神様である大物主神
(おおものぬしのかみ)
であることが解った、とされる話です。
その赤土が付いた糸が、「赤い糸」となり、
運命の人を導いてくれると言われるようになったそうです。

 

民族学的見地から…
どの逸話から・・・というのではなく、
人類の底辺に根付く民族的な立場からの解釈もあります。
世界の民族・習俗を尋ねると、
赤は「血」を意味している、とする立場が多く、
血は血縁・血族など先祖からの脈々と繋がる世界を象徴している、
とします。そこから、他人同士の夫婦が、赤い糸、
つまり
「血族となる赤い糸」で結ばれると言うことを表しているのではないか?
と言う説です。
日本では、これに小指での「指切り」のイメージが重なったのではないか、
とも言われています。


まとめ


赤い糸の由来は、習俗から・・・説話から・・・・
諸説あるようですが、いずれにしても、
結婚相手は生涯の中でも、かけがえのない最も大切な人であり、
まさに「運命の人」と言えます。
そういう意味でも
・生まれる前から約束された人
・見えないけれどもつながっている人

といっても良いでしょう。
最後に、この「運命の出会い」を象徴するような
素晴らしい動画を紹介します。
ヤブキユミさんが2016.9.4に作成・アップされた作品です。
ご覧ください。

reborn2daysanime from HAPPY on Vimeo. 唱;さだまさし アニメーションヤブキユミ